子供の成長記録の残し方
誕生日や検診、学校の決まった日に行う身長と体重の測定。
子供の成長の様子が分かってとても嬉しいですよね。
この身長や体重の記録は、いざという時のためにきちんと控えておくようにしましょう。
「いざという時」ってどんな時?
ここでのいざという時とは、中々身長が伸びない“低身長症”になってしまっている時など、子供の成長が思わしくない場合のことを指します。
低身長症は、染色体や骨の異常などの遺伝で症状が現れることもありますが、遺伝に寄らず、甲状腺ホルモンや成長ホルモンの異常、肝臓などの内臓に疾患がある場合に起こります。
低身長症になりますと、子供の身長を伸ばしたいと思って生活習慣や食生活を見直しても中々身長が伸びなくなってしまいます。
こういった病気になっているかどうかは、子供と同年代の平均との差や1年間の身長の伸び率といったことで判断されます。
ですので、身体測定は実は楽しいだけではなくて、いざという時の判断のために記録を残すためにもとても重要になるのです。
子供の成長記録の残し方
子供の成長記録を残す際にぜひとも利用したいものがあります。
それが成長曲線のグラフです。
母子手帳にこの成長曲線が載ってあったという方も多いのではないでしょうか。
自治体によって違うと思いますが、大体はこの母子手帳の記録も幼児まで(6歳まで)で終わってしまいますのでそれ以降は記録をつけていないという方も多いのではないでしょうか。
この成長曲線を利用することをおすすめする理由は、『同年代と比べて子供の体格がどれくらい成長しているか』ということが一目でわかるからです。
成長曲線には、平均の値とSDという平均からの偏差の値が示されていて、子供の年齢と身長の値が交差するところにポイントを記入することで平均よりも高いか低いかがすぐにわかります。
たった一つのグラフで収まるのもたくさんの記録をお残しているかたにとっては嬉しいポイントですね。
成長曲線のグラフの利用の仕方
成長の記録をつける前に、成長曲線のグラフの利用の仕方について知っておきましょう。
成長曲線と言っても用途別に種類があり、横断的成長曲線と縦断的成長曲線があります。
横断的成長曲線は身長と体重を記入することで肥満度などもわかり、よく母子手帳などにも利用されている成長曲線になります。
一方縦断的成長曲線はその日測った身長と昨年からその日までどれくらい身長が伸びたかという身長の伸び率を記入することになります。
成長曲線について、グラフや解説については『年齢ごとの子供の成長曲線を徹底解説!』をご覧ください。
成長曲線に記載されている平均とSDについて気になることと思います。それぞれ-1SDから+1SDの間ではその年代の子供の68.3%が分布していて、-2SDから+2SDまでに範囲を拡げると95.4%が分布していることになります。
最初は横断的身長曲線で記述する方が、肥満度もわかって良いのですが、もしもこちらで記入していて身長が-1SDから-2SDの間であったり-2SDよりも低かったりという場合には縦断的身長曲線に身長の伸び率をうつしてみてください。
低身長症の疑いがある時には、その年代との平均身長との差よりも年間の成長率がどれだけ遅れているかの方が重要になります。
もしもこちらでも-2SD付近にポイントがつくようでしたら、すぐに小児科を受診して検査してもらってください。低身長症になっていると診断されますと、それぞれその原因を取り除くための治療が行われます。
思春期を過ぎるまでの間(女の子で15歳前後、男の子で17歳前後)で、もっと子供の身長を伸ばしたいと考えていましたら再び子供の身長を伸ばす治療(主に成長ホルモンを投与するなど)を受けることができます。いたずらに不安にならずに、しっかりと子供を支えてあげましょう。