カルシウムだけ摂っても子供の身長は伸びない?その理由とは
子供の身長を伸ばしたい時、「もっと牛乳を飲みなさい!」と言ったりしていませんか。
意外と子供の身長が伸びるメカニズムを知らないままに『ただ、カルシウムを摂取すると良いと聞いたから』と牛乳を勧めている方も多くいらっしゃいます。
ひょっとすると、そのカルシウム、無駄になってしまっているかもしれませんよ。
ここでは、そんな子供の成長に及ぼすカルシウムの役割と、それを助ける栄養素についてお話していきたいと思います。
子供の成長とカルシウムの役割
成長期にはカルシウムをたくさん摂りなさいという話はよく聞きます。
それは、骨が伸びることで子供の身長が伸びるためです。子供の骨の関節近くには、骨端線と呼ばれる軟骨部分があり、ここで日々新たに骨が形成されることで子供の身長は伸びていくことになります。
この軟骨部分を形成するために、骨の主要素であるカルシウムは必要となるわけです。
摂取するように意識するのはカルシウムだけで大丈夫?
子供の身長を伸ばしたい時には、骨を伸ばしてあげることが重要になります。
そのため、カルシウムの摂取は重要となりますが、カルシウムだけ摂っていれば子供の身長は伸びていくものなのでしょうか。
応えはNOです。
例えば、骨を成長させるためには脳の下垂体から成長ホルモンが分泌されなければなりませんし、骨の成長に伴い筋肉も形成されなければなりません。また、カルシウムを摂取しようとしても、食べてみたのは良いものの、体に中々吸収されないということもあります。
成長に必要な栄養素
それでは、どのような栄養素が子供の成長に効果的なのでしょうか。
まずは、カルシウムと一緒に摂取したいのがビタミンDです。ビタミンDはカルシウムの体内への吸収を促す効果があります。
筋肉の生成のためには、お肉や魚、大豆などを多めに摂取するようにしましょう。筋肉を作るたんぱく質が豊富ということもありますが、これらの食材に含まれているアルギニンという非必須アミノ酸は成長ホルモンを活発に分泌させるという効果があります。
そのアルギニンの合成をサポートする栄養素がビタミンB6です。他にもビタミンB群には、子供の身長を伸ばすために必要な栄養素が豊富です。
ビタミンB2には糖質や脂質、たんぱく質の代謝をサポートする役割、ビタミンB12にはメラトニンの分泌を促し、快眠をサポートする役割があることが分かっています。快眠の時には成長ホルモンの分泌が著しくなるので、子供の身長を伸ばすにはプラスに働きます。
他にも、亜鉛にはたんぱく質の代謝を促進させる効果がありますし、造血のためには鉄分は欠かせないミネラルです。
カルシウムだけ摂るのではなく、バランスよく食事をすることが大事なのです。
まとめ
ここでは、子供の成長に及ぼすカルシウムの役割と、それを助ける栄養素についてお話しました。
子供の身長が伸びるという現象は、関節近くにある骨が伸びるということです。ですから、骨の主成分であるカルシウムはとても重要になります。
ですが、カルシウムだけ摂ると身長が伸びるかと聞かれれば違います。他の栄養素もバランスよく摂取することではじめて子供の成長に効果が現れるのです。
ここで、一点注意なのですが、よく『牛乳を飲むと身長が伸びる』と言いますよね。これは、実は真実でもあり間違いでもあります。
牛乳には、カルシウムやたんぱく質が豊富ですが、カルシウムはビタミンDが足りていない時には体に吸収しづらくなってしまいます。ビタミンDは魚や卵に含まれていますので、普段から喉が渇いた時に牛乳を飲むのではなく、食事の中で牛乳と一緒に摂取するのが望ましいです。
また、牛乳の飲みすぎは子供の身長を伸ばすのには悪影響になりかねません。
牛乳には脂質が多量に含まれており、それだけでお腹が膨れてしまい、他の栄養をバランスよく摂取することが難しくなってしまいます。
また、飲みすぎによる脂質の大量摂取でカロリー方になってしまい肥満になってしまうのも問題です。
肥満になりますと、思春期の到来を早めてしまうことが分かっています。子供の身長が成長するのは思春期が終わるころまでですので、子供の身長を伸ばしたいという時にはなるべく思春期が遅くなるようにした方が良いのです。
ですから、『喉が乾いたら牛乳を飲む』という行為が習慣化していましたら、子供の身長を伸ばすにはマイナスに働きますので修正するようにしてあげてください。